「相続を相談したい」「税理士を変えたい」——こうした人は、いきなり電話はしません。まずネットで調べ、何件かを“比較”してから連絡します。だからこそ士業は、ホームページで信頼を伝えられるかどうかが顧客数を左右します。この記事では、顧客が士業を選ぶ基準のデータ、見落としがちな広告規制、そしてAI検索で選ばれる条件まで、根拠とともに解説します。
顧客は「安さ」ではなく「信頼できそうか」で選んでいる
まず、顧客が士業を選ぶ基準を見てみましょう。複数の調査で一貫しているのは、最上位が「相性・人柄」で、料金は2番手だということ。税理士紹介サービスの2026年調査では、選定基準のトップは相性・人柄(92.4%)、次いで予算感(81.0%)でした。「安いから選ぶ」のではなく、「信頼できそうだから選ぶ」のです。
顧客が税理士選びで重視する「相性・人柄」(1位)。料金(81.0%)は2位。サイトは“会う前の面接”になっている。
出典:ビスカス 税理士選びに関する調査(2026年)
ところが、その入口で最大の壁になるのが料金の不透明さです。別の調査では、税理士探しの不安として「報酬相場がわからない」が59.0%で最多でした。つまり、料金の目安を見せるだけで、この最大の不安を取り除けるということです。
ポイント1:料金は「目安」だけでも必ず見せる
「要相談」とだけ書かれたサイトは、現代の検索ユーザーには選ばれにくい。金額が読めないと、人は問い合わせ自体をためらいます。ピンポイントの金額が難しくても、「個人の確定申告:5.5万円〜」「法人顧問:月3.3万円〜」のような“レンジ”を示すだけで、価格感の合う見込み客だけが、安心して連絡してくれます。

ポイント2:YMYLサイトとして「信頼の証拠」を出す
税務・法律・お金を扱う士業サイトは、Googleが「YMYL(人の幸福・健康・経済に重大な影響を与える分野)」と呼ぶ領域で、品質が特に厳しく評価されます。Googleは公式に、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の中でも「信頼性が最も重要」としています。具体的には、執筆・監修者の実名と資格・登録番号、事務所情報の明示、法令や公的機関など一次情報への出典——こうした“信頼の証拠”を、サイト上にはっきり出すことが効きます。
【マニアック】士業ならではの「広告・口コミ規制」に注意
ここは制作会社任せにすると危険な領域です。士業の広告は「原則自由・禁止類型あり」で、加えて全事業者に効く景品表示法も重なります。知っておくべき点を挙げます。
- 「No.1」「顧客満足度No.1」は、客観的な調査の裏付けがないと景表法の優良誤認になり得ます(消費者庁が実態調査を公表)。
- 「専門」「スペシャリスト」は客観基準がなく避けるのが無難。「得意分野」「取扱分野」と表現するのが安全です。
- お金を払って書いてもらう口コミは、2023年10月施行のステマ規制の対象。「広告」と明示しないと違反になります(自発的な口コミの掲載は通常問題なし)。
- 社労士はネット広告の是正が実際に行われ(2025年に797件)、司法書士は紹介料や割引の広告自体が禁止など、士業ごとに独自ルールがあります。
ポイント3:ポータル依存は「借金で集客」している
税理士ドットコムのようなポータルは手軽ですが、コストは小さくありません。同社の公式規約では、継続業務の成約手数料は初年度の年間報酬の72〜76.68%。さらに前払いが基本で、見込み客の質も玉石混交です。一時的な集客にはなっても、顧客が“自社のファン”として残らないのが弱点です。
大手税理士ポータルの成約手数料(継続業務・初年度の年間報酬に対して)。ポータルは入口の補助、本丸は自社サイト+Googleマップ。
出典:税理士ドットコム 公式規約

「高松 税理士」で見つけてもらうために
地域名での検索も重要です。「高松 税理士」「香川 相続 相談」などで見つかるよう、対応エリア・取扱業務・よくある質問を丁寧に書き、Googleビジネスプロフィールを整えます。FAQ形式は、顧客の不安に答えると同時に、AIが回答を組み立てるときに引用しやすい形でもあります。お客様の“生の疑問”に答えることが、そのままAEO対策になります。
